話すことができる能力が備わっているにも関わらず、幼稚園・保育園や学校などの話すことを期待される社会的場面や特定の状況で話すことができなくなる疾患の1つです。
場面緘黙の主な特徴
①家などでは話せるけれど、学校・職場など特定の場では話せない
②話せないことで勉強や仕事、人間関係に支障がでている
③話せない状態が1ヶ月以上続いている
④「言葉の知識がない」「楽しくないから話したくない」という理由ではない
⑤「緘黙に似た他の障害」ではない
場面緘黙への誤解とサポート
上記のように緘黙の症状は「話せない」のであって、「話したくない」というものではありません。
「選択性緘黙」という名称がありましたが、「本人が選択する」のではなく、「選ばざるを得ない」という意味であり、誤解を招きやすいために用いられなくなっていきます。
原因は十分には分かっておらず、不安になりやすさを含めて様々な背景が想定されます。
治療としては、「話せるようになること」よりも背景にある不安に焦点を当て、段階的に対処できていくことを目指します。
また、学校などでは話せなくても良いサポート方法を用いたり、周りの理解を求めたりすることも大切になってきます。
予後
場面緘黙は年齢とともに改善することが多くあるといわれています。ただし、適切な支援がなく、社会生活でのストレスが強い状況では、うつ症状など二次的な問題が生じることもあります。慢性化する場合や他の不安症状がみられる場合、成人後も医療福祉的な支援にかかりながら日常生活を送るケースもあります。
周囲の理解を含めて安心できる環境が整えば場面緘黙があっても学校などの集団生活を送ることは可能です。関わり手が話すことに意識を向けすぎるよりも、まずは本人の気持ちを尊重し、自己表現できるかたちを広げていく視点が大切です。
心理的なもの
(パニック障害)(PTSD)(強迫性障害)(場面緘黙)
(うつ病)(双極性障害)(摂食障害)(解離性障害)
対人関係の悩み
(適応障害)(自閉症)(ADHD)(パーソナリティ障害)
家族関係の悩み
(アダルトチルドレン)(共依存)(愛着障害)(不登校)
自分をよく知りたい
(夢と無意識)(反復夢)(箱庭療法)(描画療法)