知能は心のなかの各機能が1つにまとまったもの、すなわち「心的機能の総体」としてとらえられます。
心理検査では、その人の内面に秘めた能力のなかで、活かせる強みや、何らかのかたちで補っていくと、より生活がしやすくなる苦手な部分も測定されます。
また、様々な心理検査がありますが、知能指数の算出の仕方にはいくつかの違いがみられています。
基礎的な知能の測定
基礎的でトータルな知能の測り方をしているものに「ビネー式知能検査」があります。
1905年に原点となるものが開発されたこの検査は当時、小学校就学時の子どもの発達的な適応をみていくことに活用されました。
ビネー式知能検査は本来、のちに偏差値能指数が導入されるまで、計測した「精神年齢」を「生活年齢(暦年齢)」で割って100倍する、というシンプルなIQ算出方式が長年に用いられてきました。
精神年齢÷生活年齢×100=IQ
簡潔に例をあげると、「生活年齢」が10歳の子どもの「精神年齢」が8歳だった場合
8歳÷10歳×100=IQ80 となります。
ビネー式知能検査は結果だけ見ると、IQを量的に測っているともとれ、比較的シンプルで分かりやすくなっています。
それに加え、適用範囲が子どもの年代を幅広くカバーしているため、利便性が高いといえます。
偏差知能指数
上述のビネー式知能検査とは異なり、知能を同年代集団からの標準偏差として算出するものもあります。
代表的なものに「ウェクスラー式知能検査」があげられますが、知能を分析的にとらえることを可能にしたこの検査は「100」を基準とし、結果を各年齢水準の「偏差知能指数」で表します。
目に見えないものを測る
心理検査は見ることのできない「こころ」をどの人間にも共通する一定の観点、理論的な枠組みを当てはめて測定しています。
その意味では、世界中のどの検査もあくまで「心の一側面」を測っているといえます。
一方、長い研究データの積み重ねによって信頼性や妥当性が認められる心理検査は心理支援の様々な場面で活用されてきています。
得意、不得意を知りたい(能力のばらつき)(知能を測るとは)
特性を理解したい(発達障害への考え方)(大人の発達障害)
対処方法を考えたい(苦手なことへの対処法)