大人の発達障害

子どもへの注目はあったけれど・・・
特別支援教育の推進や発達障害をもつ人たちの多くの声、書籍などが社会に発信されたこともあり、発達障害への関心は高まり続けていきました。一方、それらの視線の多くは子どもたちへと向けられてきた経緯があります。

大人の発達障害にみられやすい特徴
○ケアレスミスが多い
○マルチタスクが苦手
○コミュニケーションがうまくいかない
○雑談ができない

子どものときに気づかれなかった要因
○まわりの理解やサポートがしっかりしていた
○特性の程度が軽く、それらが目立ちにくかった
○それを補える能力の高さを備えていた

その他、「選択した進学先や職業が適正にうまくはまっていた」なども要因としてみられることがあります。

進学や就職、転職などのライフステージや環境の変化により、「どこか変わった人」「空気の読めない人」程度にみられていた状況が変わり、“自尊心の低下”や“精神的不調”に繋がることもあります。

抱えやすい二次的な症状

ADHD失敗の繰り返しによる自己肯定感の低下
(うつ病になる割合が一般的水準より高い)
自閉症スペクトラム障害場面や状況、相手の考えの読み取りにくさからくる対人緊張の高まり

成人後に人間関係のつまずき、仕事上の困難にぶつかって初めて診断を受けたり、発達障害のことを耳にしたりするケースはよくみられます。
また、職種や適応の良い・悪いを問わず、社会生活を営む人たちの一定数は潜在的に発達の偏りを抱えていることが推定されます。

大人の発達障害への理解と支援
発達障害は基本的に先天的であるため、性格や努力とは別な範疇で考えた方が良い場合がほとんどです。服薬や福祉的サポートなど、取り巻く環境を含めた援助を受けることで生活しやすさへの改善が想定されます。
また、心理検査を受けて自身の特性を把握し、強みの活かし方やつまずきへの対処法などを見つめ直すといった支援も有効です。

得意、不得意を知りたい(能力のばらつき)
特性を理解したい(発達障害への考え方)(大人の発達障害)
対処方法を考えたい(苦手なことへの対処法)