チューリッヒのユング研究所での講義をテーマごとにまとめた書籍。内容は専門家向け。
原著は「影」「悪」を扱っており、前者を取り上げたものが本著にあたる。
イメージを扱う心理学の発展と関連し、おとぎ話・昔話の心理学的研究が進展してきた。著者はユング,C.G.の高弟であり、共同研究者ともなった女性分析家。おとぎ話研究の第一人者であった。(日本では河合隼雄が研究所時代に彼女の講義を受けている)
おとぎ話における「影」、いわゆる普段の自分が意識しないものに焦点を当て、それらが心のなかにどのように機能するかを解き明かそうと試みる。
『忠実なヨハンネス』をはじめ、物語のなかにみられる象徴の意味を詳細に追及している。読み進めるなかでイメージを重視するユング心理学的な視点、スタンスに触れることができる。
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