『自我とエス』フロイト,S.

1923年に発表された『快感原則の彼岸』(1920)の続編にあたる論文。「局所論」を補完しつつ、「構造論」を提唱していくフロイト理論の変遷を読み取ることができる。

それまで個人の精神力動は「意識」「前意識」「無意識」の3層構造、かつ“意識=自我”、“無意識=欲動“”という考えに拠っていた。本論ではその考えが発展し、「自我」「超自我」「エス」といった構造に定式化される。背景には『ナルシシズム入門』で提案した“自我理想”という概念。また、「“超自我”が自我のなかにある」という想定がより生成された経緯がある。
そして、その起源には「エディプス・コンプレックス」があり、その抑圧(厳密には父に対する反動形成から)によって超自我が成立すると論じられている。

先述の『快楽原則の彼岸』でみられた欲動論に「死の欲動」を持ち込んだフロイトの考えがより洗練されたものとなる。心の仕組みの基本的な視座となる自我とエス、超自我との関係を概括的に論じている。

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