『聖娼』クォールズ-コルベット,N.

女性ユング派分析家による著書。
古代慣習の聖娼を心理学的に考察している。この慣習は本来、男女とも神なる異性を投影しあい、自身の霊性または身体的な官能性と繋がる重要なフェイズでもあったという。


聖娼は母権的な時代、文化から行われてきた。一方、のちの父権宗教の人々にとっては性を通して霊性との一致へ導いていくものであると指摘する。
西洋的な視点から書かれたものであるが、母性的な宗教圏での機序の相違等、多くの問いを投げかける重要書といえる。

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