中間学派に位置づけられる英国の精神分析家ウィニコットの生前最後の論文集。重要概念である移行対象、移行現象と中間領域などを重点的に記載している。
乳幼児にとって内的現実と外的現実が関係づけられていくなかにある中間領域、遊びについて論じている。ウィニコットによれば、遊びとは精神療法のなかでは患者の領域と治療者の領域が重なることを意味するのだという。そして、その意味合いにおいて治療者は遊べなければならないのだと述べる。
概念を平易な言葉で言い表すことが特徴的なウィニコットであるが、遊びによる成長の促進、集団関係への導きの働きなど、その大切さを精神分析的に理解することができる。
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