遊戯療法のなかで子どもの「こころの世界」の展開とその実際の姿を示そうとする著作。
基本的スタンスを示したアクスライン,Ⅴ.M.の8原則、マーラー,M.やクライン,M.をはじめとした精神分析的理論がセラピーにどのように反映されるかを解説してもいる。また、事例をあげつつ、箱庭や描画を含めて、セッション中の遊びを読み取る視点やそれらがセラピストとの関係性のなかでどう展開していくかについても述べている。
普段も目にする子どもの遊びをどのように理解し、治療的に扱うかを注意点も明記しつつ、具体的に記している。日本遊戯療法学会の前身団体を築いた著者であるが、本書では基本的なことを丁寧に明記してもいる。通読することで子どもと心理療法的に関わる視点、イメージに触れることができる。
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