『神話と日本人の心』河合隼雄

日本と世界の神話・昔話とを比較しつつ、日本人の心の在り方を読み解く。
やや専門的な内容であるにも関わらず、神話を心理学的にみたときに重要となる各エピソードの意味が分かりやすく書かれている。

心の在り方について、著者独自の発想である「中空構造」の解説のほか、父性性の優位な国の「原罪」と母性性の優位な国の「原悲」といった観点からも考察している。
また、日本神話のなかでも特徴的な神であるスサノオの論考からは、西洋によくみられる「英雄神話」とは異なった視点によって心の深層への視座を得ることができる。

カテゴリー

 分析心理学 精神分析 精神医学 発達障害 子ども&愛着  心の病気とサポート