ケレーニイ,K.との共著『神話学入門』の第二部「神的少女」のなかに収められている。ケレーニイの「神的少女」という論文があり、そのコメントとしていくつかの夢を素材として提示しつつ、本論文が置かれている。
ユングは「デメテル・コレー神話」を母との一体的な同一化にある娘の関係性として心理学的にとらえている。その状況下では女性の影響が男性によるものをはるかに凌駕しており、男性はほとんど意味をもたず、誘惑者か暴行者のそれに過ぎないという。
また、ユングは男性側からのコレー像(ないし女性性)についても触れている。そこでは母娘そして未知の女性的な生き物(本論では鳥、蛇など)とのつながりを指摘している。ただし、男性はからそのようなアニマを体験することは可能であるが、この神話自体は男性にはうかがい知ることのできない「母と娘の体験領域」を表してもいる。
西洋で書かれたものであるが、動物神などの多い東洋的なそれとの関連も検討することができる。
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