鎌倉時代の僧である明恵の夢記を心理学的に解釈し、生涯を伝える一冊。著者個人にとっても明恵との出逢いは重要なものであったという。
本書にはいくつもの大きな夢・ビジョンが記されている。それらが明恵に与えた影響をみていくとき、人生のなかで根本にある特定の絶対性が仮定されていることがみてとれる。
心理学的な視点から論じられているとはいえ、どの本も著者の視点が少なからず影響していることは想定される。そういった要因も加わり、内界・外界を一事象として生きた宗教的天才の人柄がどこかなじみのあるものとして伝わってくる。
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